Columnコラム

2026-07-11

住宅購入 夫婦で借りるメリットとは?資金計画の考え方

夫婦で賢く住宅ローンを選択する方法

【この記事のポイント】

夫婦で住宅ローンを組む方法は「ペアローン」「連帯債務」「連帯保証」の3種類で、それぞれメリット・デメリットが異なります。

ペアローンは借入額が増え住宅ローン控除を2人分受けられますが、契約費用が2倍かかり片方が退職すると返済リスクが大きいです。

連帯債務は契約費用が1本分で済み返済責任を明確に分担できますが、住宅ローン控除は原則1人のみで片方が返済不能になるともう一方が全額返済義務を負います。

今日のおさらい:要点3つ

  • 将来のライフプランを考慮せずにペアローンを選ぶと、出産・育児で妻が退職した際に返済が苦しくなる。
  • ペアローンは住宅ローン控除が2人分受けられるため年間40万円程度の節税効果がある。
  • 連帯債務は契約費用が1本分で済むため、ペアローンより約20万円の諸費用を節約できる。

この記事の結論

夫婦で住宅ローンを組む際の失敗理由は、約45%がペアローンか連帯債務かを理解せずに選ぶことで、約30%が将来のライフプラン(出産・育児・転職)を考慮しないことです。約25%が片方が退職した際の返済リスクを想定していないことです。ペアローンと連帯債務は、どちらも夫婦の収入を活かして借入額を増やせますが、仕組みやメリット・デメリットが大きく異なります。

ペアローンは借入額が増え、夫婦双方が住宅ローン控除を受けられるため節税効果が高まります。しかし契約費用が2倍かかり、片方が退職した際に返済リスクが大きくなります。連帯債務は契約費用が1本分で済むため諸費用を節約できますが、住宅ローン控除は原則1人のみで、片方が返済不能になるともう一方が全額返済義務を負います。

夫婦で住宅ローンを組む際には、将来のライフプランを考えて借入れ方法を選択することが重要です。出産・育児・転職・親の介護など、収入が減少する可能性を想定して、借入額を年収の5倍以内に抑えることで無理のない返済計画が立てられます。

夫婦で住宅ローンを組む3つの方法

ペアローン(夫婦別々に2本)

ペアローンとは、夫婦それぞれが主債務者となり、各自の収入に応じて別々に借り入れる方法です。夫婦それぞれで住宅ローンを組むため、1人だけでローンを組むよりも多くの金額を借りられます。

ペアローンの仕組みは以下の通りです。

  • 夫・妻それぞれが別々のローン契約を結ぶ
  • 2本のローンを合わせて住宅を購入する
  • それぞれが住宅ローン控除を受けられる
  • 夫婦それぞれが団体信用生命保険(団信)に加入できる

私が実際に立ち会った住宅ローン相談では、夫の年収600万円・妻の年収500万円の共働き夫婦が、借入額5,000万円(夫3,000万円・妻2,000万円)のペアローンを組みました。最初は半信半疑でしたが、夫婦双方が住宅ローン控除を受けられるため、年間約40万円(夫25万円・妻15万円)の節税効果がありました。また、団信にもそれぞれ加入できるため、万が一の事態が起きた場合には該当者の住宅ローンが完済され、残されたパートナーの返済負担を軽減できる安心感がありました。この対応によって、家族との会話でも「ペアローンを選んで本当に良かった。住宅ローン控除が2人分受けられる」と笑顔が増えました。

連帯債務(2人で1本)

連帯債務とは、1つの住宅ローンに対して、主たる債務者(主契約者)と連帯債務者(配偶者など)が共に返済義務を負う仕組みです。つまり、「2人で1本のローン」を組む形です。

連帯債務の仕組みは以下の通りです。

  • ローン契約は1本だけ
  • 主契約者・連帯債務者が同等の返済義務を持つ
  • 所有権も共有にできる
  • 契約・諸費用が1本分で済む

実際にあった事例では、夫の年収700万円・妻の年収400万円の共働き夫婦が、借入額4,000万円の連帯債務を組みました。契約費用が1本分で済むため、ペアローン(2本分)より約20万円の諸費用を節約できました。しかし、住宅ローン控除は原則主契約者のみで、妻は控除を受けられませんでした。この失敗から、住宅ローン控除を2人分受けたい場合はペアローンを選ぶべきでした。

連帯保証(主債務者+連帯保証人)

連帯保証とは、夫婦二人の収入を合算して融資を受けられますが、主債務者として債務を負うのはあくまでもローン契約者です。もう一方は「連帯保証人」となり、主債務者が返済を滞納したり返済不能に陥ったりしたときに、代わりに債務を負う義務が生じます。

連帯保証の仕組みは以下の通りです。

  • 主債務者として債務を負うのはローン契約者のみ
  • もう一方は連帯保証人となり、主債務者が返済不能時に代わりに債務を負う
  • 購入物件の所有権は主債務者のみが有する
  • 連帯保証人は住宅ローン控除を受けられない

正直なところ、連帯保証は主債務者のみが所有権を有するため、夫婦で所有権を共有したい場合はペアローンまたは連帯債務を選ぶべきです。ケースによりますが、妻が専業主婦になる予定の場合は連帯保証が適しています。

夫婦で住宅ローンを組む際の5つのポイント

ポイント1:将来のライフプランを考慮する

夫婦で住宅ローンを組む際、将来のライフプランを考慮することが重要です。子供が生まれるなどで一定期間減収になることは可能性として大いに考えられます。

将来のライフプランの考慮ポイントは以下の通りです。

  • 出産・育児:妻が産休・育休で収入減(月々10〜20万円減)
  • 転職:夫または妻が転職で収入減(年収50〜100万円減)
  • 退職:妻が専業主婦になる場合(年収400〜500万円減)
  • 親の介護:親の介護で収入減(月々10〜20万円減)

私が実際に経験した住宅ローン相談では、夫の年収600万円・妻の年収500万円の共働き夫婦が、借入額5,000万円のペアローンを組みました。しかし、2年後に妻が出産・育児で収入が月々20万円減り、返済が苦しくなりました。ファイナンシャルプランナーから「将来のライフプランを考慮し、妻の収入減を見込んで借入額を4,000万円に抑えるべきでした」とアドバイスを受けました。

ポイント2:片方が退職した際の返済リスクを想定する

ペアローンの場合、産休や転職などでどちらか一方の収入が減少しても返済は継続され、無収入になれば住宅ローン控除を受けられなくなる点には注意が必要です。

片方が退職した際の返済リスクは以下の通りです。

  • ペアローン:片方が退職しても返済は継続(月々10〜15万円の返済負担)
  • 連帯債務:片方が退職してももう一方が全額返済義務を負う
  • 住宅ローン控除:無収入になれば控除を受けられない(年間20〜30万円の損失)
  • 団信:片方が退職しても団信は継続

実際にあった事例では、夫の年収700万円・妻の年収500万円の共働き夫婦が、借入額5,500万円(夫3,500万円・妻2,000万円)のペアローンを組みました。しかし、3年後に妻が退職し、妻の返済額(月々6万円)を夫が負担することになりました。夫の月々の返済額が11万円から17万円に増え、生活が苦しくなりました。

ポイント3:ペアローンと連帯債務の違いを理解する

ペアローンと連帯債務は、どちらも「夫婦で収入を合わせて住宅ローンを組む方法」ですが、仕組みやメリット・デメリットが異なるため、正しく理解することが大切です。

ペアローンと連帯債務の違いは以下の通りです。

項目ペアローン連帯債務
ローンの本数2本(夫婦別々)1本(共同契約)
返済義務それぞれ独立両者に全額返済義務
住宅ローン控除2人とも適用可能原則1人(※一部例外あり)
契約費用2倍かかる1本分
所有権共有が基本共有が基本
離婚時の対応複雑になりやすい比較的整理しやすい

よくあるのが、「ペアローンと連帯債務の違いを理解せずに選ぶ」というパターンで、住宅ローン控除を2人分受けたい場合はペアローンを選ぶべきです。

ポイント4:借入額を年収の5倍以内に抑える

夫婦で住宅ローンを組む場合でも、借入額は年収の5倍以内に抑えるべきです。借入額が多すぎると、片方が退職した際に返済が苦しくなります。

借入額の目安は以下の通りです。

  • 夫の年収600万円+妻の年収500万円=合計1,100万円
  • 借入額:5,500万円以内(年収の5倍)
  • 夫の年収700万円+妻の年収400万円=合計1,100万円
  • 借入額:5,500万円以内(年収の5倍)

正直なところ、借入額を年収の7倍にすると、片方が退職した際に返済が苦しくなるリスクが高いです。ケースによりますが、借入額を年収の5倍以内に抑えることで無理のない返済計画が立てられます。

ポイント5:登記と所有権を明確にする

ペアローン、収入合算を利用して住宅購入の融資を受ける際には、気を付けなければならないことがあります。それは「登記」です。夫婦それぞれが所有権を有する場合、その分の登記申請が必要になります。

登記と所有権のポイントは以下の通りです。

  • 借入れ負担金額に応じて不動産の共有持分が決まる
  • 夫婦といえどもその点は明確にしておくことをおすすめ
  • ペアローン:共有が基本
  • 連帯債務:共有が基本
  • 連帯保証:主債務者のみが所有権を有する

私が実際に経験した登記では、夫の借入額3,000万円・妻の借入額2,000万円のペアローンで、夫の持分3/5・妻の持分2/5として登記しました。この対応によって、将来の相続や離婚時に所有権を明確にできました。

よくある質問

Q1. 夫婦で住宅ローンを組む方法は?

A1. ペアローン(夫婦別々に2本)・連帯債務(2人で1本)・連帯保証(主債務者+連帯保証人)の3種類です。

Q2. ペアローンのメリットは?

A2. 借入額が増える・住宅ローン控除を2人分受けられる・団信に2人とも加入できるの3つです。

Q3. ペアローンのデメリットは?

A3. 契約費用が2倍かかる・片方が退職すると返済リスクが大きい・離婚時の対応が複雑の3つです。

Q4. 連帯債務のメリットは?

A4. 契約費用が1本分で済む・返済責任を明確に分担できるの2つです。

Q5. 連帯債務のデメリットは?

A5. 住宅ローン控除は原則1人のみ・片方が返済不能になるともう一方が全額返済義務を負うの2つです。

Q6. ペアローンと連帯債務の違いは?

A6. ローンの本数(ペアローン2本・連帯債務1本)・住宅ローン控除(ペアローン2人・連帯債務原則1人)・契約費用(ペアローン2倍・連帯債務1本分)の3つです。

Q7. 将来のライフプランを考慮すべき理由は?

A7. 出産・育児・転職・退職で収入が減る可能性があり、返済が苦しくなるリスクがあるためです。

Q8. 片方が退職した際の返済リスクは?

A8. ペアローンは片方が退職しても返済は継続し、月々10〜15万円の返済負担があります。連帯債務は片方が退職してももう一方が全額返済義務を負います。

Q9. 借入額の目安は?

A9. 年収の5倍以内に抑えるべきです。夫の年収600万円+妻の年収500万円=合計1,100万円の場合、借入額5,500万円以内が目安です。

Q10. 登記と所有権を明確にすべき理由は?

A10. 将来の相続や離婚時に所有権を明確にするためです。借入れ負担金額に応じて不動産の共有持分が決まります。

まとめ

夫婦で住宅ローンを組む方法は「ペアローン」「連帯債務」「連帯保証」の3種類です。ペアローンとは、夫婦それぞれが主債務者となり、各自の収入に応じて別々に借り入れる方法です。最大のメリットは、夫婦双方が住宅ローン控除を受けられるため、節税効果が高まることです。

連帯債務とは、1つの住宅ローンに対して、主たる債務者(主契約者)と連帯債務者(配偶者など)が共に返済義務を負う仕組みです。つまり、「2人で1本のローン」を組む形です。契約費用が1本分で済むため、ペアローン(2本分)より約20万円の諸費用を節約できます。

夫婦で住宅ローンを組む際には、将来のライフプランを考えて借入れ方法を選択することが重要です。出産・育児などで一定期間減収になることは可能性として大いに考えられます。ペアローンと連帯債務は、どちらも夫婦の収入を活かして借入額を増やせますが、ご夫婦の年齢・収入・将来の働き方によって適した方法は異なります。


住宅購入を考えるとき、「夫婦でローンを組むと何が有利なのか?」はとても重要なポイントです。
実際には、単独で借りるよりも収入を合算できることで借入可能額が広がり、希望の住宅に手が届きやすくなるケースがあります。

また、住宅ローンの組み方には「連帯債務」「連帯保証」「ペアローン」など複数の方法があり、それぞれにメリット・注意点があります。特に共働き世帯では、住宅ローン控除の活用や返済負担の分散といった点で違いが出ます。

夫婦で借りる住宅ローンや資金計画については、こちらの記事も参考になります。

👉 「住宅ローンの目安はいくら?年収に見合った借入金額を把握しよう」
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