2026-06-02
住宅ローン 事前審査と本審査の違いとは?流れと注意点を解説

事前審査と本審査の違いとは?審査の流れと通過のポイントを完全ガイド
【この記事のポイント】
住宅ローンの審査は「事前審査」と「本審査」の2段階に分かれており、審査主体・期間・確認項目が大きく異なります。事前審査に通っても、転職や新規借入などで本審査に落ちるケースも少なくありません。
この記事では、両者の違いから審査の流れ、落ちる原因と対策まで、住宅ローン審査を確実に通過するためのポイントを解説します。
今日のおさらい:要点3つ
- 事前審査は金融機関が行う簡易審査(1〜3営業日)、本審査は保証会社が行う厳密審査(2〜4週間)
- 事前審査通過後も約5%が本審査で落ちる可能性があり、審査期間中の転職や新規借入は厳禁
- 本審査では団信加入の可否や物件の担保評価など、事前審査では確認しない項目が追加される
この記事の結論
住宅ローン審査を確実に通過するために押さえるべきポイント:
事前審査と本審査は「審査主体」「審査期間」「確認項目」の3つで明確に異なります。事前審査通過後から本審査完了までは、勤務先変更・新規借入・返済遅延を絶対に避けましょう。本審査では健康状態(団信加入)と物件の担保価値が新たに審査されるため、事前確認が必須です。審査全体にかかる期間は最短1ヶ月、余裕を持って1ヶ月半〜2ヶ月を見ておきましょう。
事前審査と本審査の基本的な違い
審査主体と審査期間の違い
事前審査は、住宅ローンを申し込んだ金融機関が実施する簡易的な審査です。審査期間は最短で即日から3営業日程度、長くても1週間以内に結果が通知されます。オンライン申込の場合は機械的に判定されるため、店舗での対面申込よりも短期間で結果が出る傾向があります。
正直なところ、この段階ではまだ「仮の承認」に過ぎません。
一方、本審査は金融機関ではなく保証会社が主体となって実施します。審査期間は必要書類提出後から5営業日〜2週間程度、場合によっては3〜4週間かかることもあります。事前審査に比べて提出書類が格段に増え、一つひとつの項目が厳密にチェックされます。
確認内容の違い
事前審査では、主に申込者が申告した年収や借入希望額などをもとに審査が行われます。この段階では自己申告の内容が中心で、収入証明書の提出を求められないケースもあります。
本審査では、事前審査よりも詳細な確認が行われます。年収は源泉徴収票や確定申告書といった公的書類で裏付けを取り、勤務先への在籍確認も実施されます。さらに、事前審査では触れられなかった物件の担保評価や、団体信用生命保険(団信)加入のための健康状態チェックも加わります。
実は、ここで初めて「物件そのものの価値」が審査対象になるんです。
審査の厳密さの違い
事前審査は「融資可能かどうかの見込み」を確認するのが目的です。申込者の属性や個人信用情報を中心に、簡易的な審査が実施されます。
本審査は「本当に住宅ローンの返済を続けられる申し込み者なのか」という点が慎重に審査されます。提出された書類すべてを精査し、申告内容との整合性や、事前審査後に状況変化がないかまでチェックされます。三井住友銀行の事例では、本審査時には住民票謄本や給与明細(直近3か月分)、賞与明細(直近2回分)などの詳細な書類提出が必須です。
住宅ローン審査の全体の流れ
物件探しから事前審査まで
購入したい物件が見つかったら、まず事前審査を申し込みます。売買契約締結前であればいつでも受けられるため、複数の金融機関に同時申込をして条件を比較することも可能です。
よくあるのが、「この物件、気に入ったから即決したい!」という焦りから事前審査を飛ばしてしまうケース。でも、審査に通らなければ契約自体が無効になるリスクがあります。
事前審査に必要な書類は、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)が中心です。金融機関によっては源泉徴収票や物件概要資料の提出を求められることもあります。
事前審査通過後の売買契約
事前審査に通過したら、売主と正式な売買契約を締結します。この段階で手付金を支払うのが一般的です。
契約締結と並行して、本審査の申込手続きを進めます。本審査では、不動産売買契約書、重要事項説明書、工事請負契約書などの物件関連書類が必要です。収入証明として、会社員なら源泉徴収票や給与明細(直近3か月分)、自営業なら確定申告書と納税証明書(発行から3か月以内)を提出します。
ケースによりますが、書類の有効期限切れで審査が遅れることもあるので要注意です。
本審査から融資実行まで
本審査を通過すると、金融機関から正式な承認通知が届きます。その後、引き渡し日の約1〜2週間前に「金銭消費貸借契約書」「抵当権設定契約書」などを締結します。
住宅ローン契約と同時に、団体信用生命保険(団信)への加入手続きも行います。ほとんどの金融機関では団信への加入が必須条件となっており、健康状態が一定の基準を満たしている必要があります。
融資実行と引き渡しは原則同じタイミングで行われます。当日は、融資金が口座に入金され、売主への残金決済、所有権移転登記、抵当権設定登記が一斉に実施されます。司法書士が同席し、すべての手続きを確認しながら進めるのが一般的です。
事前審査で見られる主な審査項目
返済能力の確認
事前審査で最も重視されるのは「返済負担率」です。返済負担率とは年収に占める年間返済額の割合で、一般的には年収の30〜35%が目安とされています。国土交通省の令和6年度調査によると、「年収」を審査項目とする金融機関は93.4%、「返済負担率」は90.3%に上ります。
例えば年収500万円の場合、年間返済額が150万円〜175万円(月々約12.5万円〜14.6万円)を超えると審査が厳しくなります。
勤務先、勤続年数、勤務形態も重要な判断材料です。正社員として長期間勤務している場合は、収入の安定性が高く評価されます。また、完済時年齢も審査項目に含まれ、多くの金融機関では完済時年齢を80歳未満に設定しています。「完済時年齢」を確認する金融機関は98.4%、「借入時年齢」は96.0%、「勤続年数」は93.2%と極めて高い割合です。
他の借入状況
カードローンや自動車ローンなど、住宅ローン以外の借り入れも返済負担率の計算に含まれます。クレジットカードのキャッシング枠は、利用していない場合でも限度額が借入残高に含められることがあります。
最初は半信半疑だったんですが、実際に「使っていないクレカのキャッシング枠」が原因で審査に落ちたケースを見たことがあります。
個人信用情報機関には、借入残高やクレジットカード返済履歴が登録されています。2024年11月28日からは、CIC(シー・アイ・シー)が200〜800の3桁で個人の信用情報を数値化する「クレジット・ガイダンス」の提供を開始しました。数値に影響する割合は、支払い状況(36.5%)、残高(31.8%)、契約数(13.6%)、契約期間(13.6%)、申込件数(4.5%)となっています。
頭金の有無
頭金を多く用意することで、借入額を抑えられ毎月の返済負担を軽減できます。一般的には、住宅購入価格の2割程度を頭金として用意するのが目安です。
諸費用(仲介手数料、事務手数料、登記費用など)も現金での支払いが必要となるため、これらを含めた資金計画が重要です。
本審査で追加される審査項目
健康状態と団信加入
本審査では、団体信用生命保険(団信)への加入を前提とした健康状態の確認が行われます。「健康状態」を審査項目とする金融機関は95.1%にのぼります。
一般団信に加入できない場合、ワイド団信(加入基準を緩和したタイプ)を提供している金融機関もあります。三井住友銀行では、8大疾病に対応した「8大疾病保障付住宅ローン」も取り扱っています。
ただし、健康状態によっては団信に加入できず、結果的に住宅ローン審査に通らないケースもあります。
物件の担保評価
本審査では、購入予定物件の担保としての価値が詳細に評価されます。不動産の権利関係や担保評価が確認され、申込者の属性に問題がなくても物件の資産価値が担保として認められない場合、審査通過は不可能です。
築年数が古い物件や、立地条件が悪い物件は担保評価が低くなる傾向があります。想定よりも担保評価が低いと、希望額の融資を受けられないこともあります。
事前審査との整合性確認
事前審査時の申告内容と本審査時の情報に相違がないことが重要です。金融機関が事前審査で承認した内容に変更がある場合、審査担当から申込者へ聞き取り調査が行われるなど、本審査手続きに遅れが生じます。
年収の報告で、事前審査では自己申告の金額で審査してもらえる一方、本審査では年収を裏付ける公式な書類(給与明細や確定申告書)の提出を求められます。申告内容と実際が相違している場合、本審査で落ちる可能性があります。
本審査で落ちる主な原因
事前審査後の状況変化
事前審査通過後に転職や退職をすると、本審査で落ちる可能性が高まります。転職すれば勤続年数がリセットされるため、収入の安定性評価に影響します。年収が変わらない関連会社への出向など一部除外されるケースもありますが、基本的に勤務先の変更は極力避けるべきです。
事前審査と本審査の間で新たに借り入れをした場合も要注意です。カードローンや自動車ローンはもちろん、スマホ購入代金の分割払いも債務とみなされ、返済負担率が変わる原因になります。
「審査通過後に車をローンで買ってしまった」という失敗例は本当にあります。
提出書類の不備
源泉徴収票や確定申告書類、物件の売買契約書など、本審査時には提出を求められる書類が多くあります。これらの書類に不備があると審査に落ちる可能性があります。住宅ローン申込書類の記載漏れにも要注意です。
有効期限が指定されている書類は、提出前に期限切れとなっていないか確認が必須です。三井住友銀行の事例では、納税証明書は発行から3か月以内のものを求められます。
個人信用情報の問題
個人信用情報に延滞記録が残っていると、融資実行不可とされ再審査も通過できない可能性が高まります。数年前の延滞記録が残っていることで審査に通過できないケースもあります。
クレジットカードの支払い遅延は、たとえ数日でも信用情報に記録されます。返済の遅延がないかどうかは、事前に信用情報機関で確認しておくのが安心です。
審査期間中に絶対にやってはいけないこと
新規の借り入れ
審査通過後から融資実行までの期間は、新たな借り入れを控えることが重要です。借り入れやキャッシング枠付きクレジットカードの新規申し込みは債務とみなされ、返済負担率の審査結果が変わる原因になります。
カードローンや自動車ローンといった新規のローン契約はもちろん、スマホ購入代金の分割払いも対象です。家電量販店での「分割手数料無料」といったキャンペーンも、実質的には借入として扱われます。
転職・退職
審査通過後から融資実行までの期間は、現状維持が重要です。転職や退職などで勤務先が変わることは、複数の審査項目に影響を及ぼします。
本審査通過後でも再審査の結果によっては融資実行不可となる可能性があり、勤務先の変更は極力避けるべきです。どうしても転職が避けられない場合は、必ず金融機関に事前相談しましょう。
クレジットカードやローンの返済遅延
個人信用情報に影響がある延滞があれば、融資実行不可とされます。返済の遅延は、たとえ数日であっても信用情報に記録されるため、審査期間中は特に注意が必要です。
引き落とし口座の残高不足による「うっかり延滞」が意外と多いんです。毎月の返済日前には必ず残高を確認する習慣をつけておきましょう。
審査をスムーズに通過するための準備
必要書類の事前確認
事前審査では本人確認書類が中心ですが、金融機関によっては源泉徴収票や物件概要資料の提出を求められます。本審査では、不動産売買契約書、重要事項説明書、工事請負契約書などの物件関連書類が必須です。
会社員の場合は源泉徴収票、給与明細(直近3か月分)、賞与明細(直近2回分)を準備します。確定申告をしている自営業者は、確定申告書と納税証明書(発行から3か月以内)が必要です。
住宅ローン以外にも借り入れがある場合、借入明細書や返済予定明細表の提出も求められます。
借入状況の整理
希望額の住宅ローンを借りられないケースでは、他社借り入れやクレジットカードが原因となっている事例が見受けられます。そのため、事前に借入状況を整理し、利用機会のないカードは解約するなど、審査に悪影響を与えないよう準備しておくことが望ましいです。
クレジットカードのキャッシング枠は、利用していなくても限度額が借入残高に含められることがあるため、不要なキャッシング枠は外しておきましょう。
返済計画の見直し
返済負担率は年収の30〜35%が目安ですが、30〜35%を超えると家計が圧迫され延滞リスクが高いと判断され、審査落ちや減額の理由になります。
月々の返済額だけでなく、ボーナス返済の有無、金利タイプ(変動・固定)、返済期間なども含めて総合的に検討することが重要です。諸費用(仲介手数料、事務手数料、登記費用など)も現金での支払いが必要となるため、これらを含めた資金計画を立てる必要があります。
審査に落ちてしまった場合の対処法
他の金融機関への申込
一つの金融機関で審査に落ちても、他の金融機関では通過する可能性があります。金融機関によって審査基準が異なるため、複数の選択肢を検討することが重要です。
ただし、短期間に複数の金融機関へ申し込むと「申込ブラック」として信用情報に記録され、かえって審査に不利になることもあります。申込件数は信用スコアに4.5%の影響を与えます。
借入希望額の減額
希望額を下げることで返済負担率が改善され、審査に通りやすくなります。頭金を増やして借入額を減らす方法も有効です。
購入物件のグレードを見直すことも選択肢の一つです。担保評価が低い物件が原因で審査に落ちた場合は、別の物件を検討する必要があります。
連帯保証人や収入合算の検討
通常、住宅ローンでは保証会社を利用するため連帯保証人は不要ですが、ペアローンを組む場合や収入合算で住宅ローンを組む場合、保証会社だけでは担保不十分と判断された場合には必要となることがあります。
配偶者や親の収入を合算することで、世帯全体の返済能力が高まり審査に通りやすくなります。ただし、連帯保証人は住宅ローンのような高額債務のリスクが大きいため、誰に頼むのかは慎重に判断しましょう。
よくある質問
Q1. 事前審査に通れば本審査も必ず通りますか?
A1. いいえ、事前審査に通っても本審査で落ちる確率は約5%存在します。事前審査後の状況変化(転職、新規借入など)や、本審査で追加される審査項目(健康状態、物件の担保評価)が原因で落ちることがあります。
Q2. 事前審査と本審査にかかる期間はどれくらいですか?
A2. 事前審査は1〜3営業日程度、本審査は2〜4週間程度です。審査全体では最短1ヶ月、余裕を持って1ヶ月半〜2ヶ月を見ておくのが安全です。金融機関や申込者の状況によって期間は変動します。
Q3. 事前審査は複数の金融機関に同時に申し込めますか?
A3. はい、可能です。事前審査は売買契約締結前であればいつでも受けられるため、複数の金融機関に同時申込をして条件を比較できます。ただし、短期間に申込件数が多すぎると信用スコアに影響します。
Q4. 本審査中に転職するとどうなりますか?
A4. 本審査通過後でも、転職によって勤続年数がリセットされ再審査の結果によっては融資実行不可となる可能性があります。勤務先の変更は極力避け、どうしても必要な場合は必ず金融機関に事前相談してください。
Q5. 自営業者は審査に通りにくいですか?
A5. 会社員に比べて審査期間が長くなる傾向があります。収入の安定性を証明するため、確定申告書(通常3期分)と納税証明書の提出が必須です。事業の継続年数や収益の安定性が重視されます。
Q6. クレジットカードのキャッシング枠は使っていなくても影響しますか?
A6. はい、影響します。利用していない場合でも限度額が借入残高に含められることがあります。不要なキャッシング枠は外しておくか、利用機会のないカードは解約しておくのが望ましいです。
Q7. 団信に加入できない場合、住宅ローンは組めませんか?
A7. ほとんどの金融機関では団信への加入が必須条件です。一般団信に加入できない場合は、ワイド団信(加入基準を緩和したタイプ)を検討できます。それでも加入できない場合は、フラット35など団信加入が任意のローンを選択する方法もあります。
Q8. 事前審査で虚偽の申告をするとどうなりますか?
A8. 本審査で必ず発覚し、審査落ちの原因になります。悪質な場合は詐欺罪に問われる可能性もあります。年収や勤続年数などは公的書類で裏付けを取られるため、必ず正確な情報を申告してください。
Q9. 審査期間中にクレジットカードの支払いを延滞してしまいました。どうすればいいですか?
A9. すぐに支払いを完了させてください。個人信用情報に延滞記録が残ると、融資実行不可となる可能性が高まります。延滞した事実は必ず金融機関に報告し、対応を相談しましょう。
Q10. 本審査に落ちた場合、再申込はできますか?
A10. 可能ですが、落ちた原因を解消してからの申込が前提です。借入希望額の減額、他の借入の完済、頭金の増額などの改善策を講じた上で再申込するのが効果的です。同じ条件での再申込は再び落ちる可能性が高いため避けましょう。
まとめ
住宅ローンの事前審査と本審査は、審査主体・期間・確認項目のすべてで異なります。事前審査は金融機関が1〜3営業日で行う簡易審査、本審査は保証会社が2〜4週間かけて行う厳密審査です。事前審査通過後も約5%が本審査で落ちるため、審査期間中は転職・新規借入・返済遅延を絶対に避けましょう。
本審査では団信加入のための健康状態確認と物件の担保評価が新たに追加されます。提出書類の不備や事前審査との申告内容の相違も審査落ちの原因になるため、正確な情報提供と書類準備が重要です。
こういう人は今すぐ専門家に相談すべきです:自営業で収入が不安定、過去に返済遅延がある、他のローン残高が多い。この状態ならまだ間に合います:事前審査前に不要なクレジットカードを解約する、頭金を増やして借入額を減らす、複数の金融機関の条件を比較する。
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