Columnコラム

2026-08-14

新築の坪数を減らすと後悔する?狭さを感じず予算を守る間取りの工夫

坪数は一律に減らさず、「使わない廊下・重複する部屋・家具で代替できる収納」から削ると、狭さを感じずに予算を守れる

「延床を2坪減らしましょう」——見積もりを下げる提案でよく出る一言です。正直なところ、坪数を落とせば総額は確実に下がります。ただ、どこを減らすかで結果は正反対になる。生活の中心になる場所を削れば毎日の窮屈さになり、ほとんど使わない部分を削れば暮らしは変わらない。狭さの正体は「総面積」ではなく「面積の配り方」です。岐阜で予算を守りたいなら、まずここを切り分けましょう。

【この記事のポイント】

見積もりを下げるために延床面積を減らす案を出されたけれど、狭くして後悔しないか不安——この記事はそんな方に向けて書いています。結論として、坪数は一律に縮めるのではなく、使われない廊下・役割が重複する部屋・家具で代替できる収納から見直すのがコツ。部屋数・収納・廊下・生活動線それぞれの「本当に必要な面積」を家族の行動と家具の寸法から見積もり、削ってよい場所を判断する考え方を整理します。

今日のおさらい:要点3つ

  • 坪単価×坪数だから、削れば総額は必ず下がる。問題は「どこを」削るか
  • 廊下・重複する部屋・過剰な収納は、狭さを感じさせずに減らせる余地が大きい
  • 必要面積は「畳○枚」ではなく、家族の行動と家具の実寸から逆算して決める

この記事の結論

一言でいうと、坪数は「全体を薄く削る」のではなく「使っていない場所を選んで削る」のが正解です。最も重要なのは、生活の中心(家族が長くいる場所)は守り、通過するだけの廊下・機能が重なる部屋・置き家具で代替できる収納から先に見直すこと。国土交通省の住生活基本計画が示す面積水準は目安になりますが、最後はわが家の暮らし方に当てはめて判断します。まずは家族の動きと家具の寸法を持ち寄って相談するのが近道です。

坪数を減らすと総額はどう動くのか

坪単価×坪数だから、削れば効くのは事実

新築の建物価格は、ざっくり「坪単価×延床坪数」で決まります。だから坪数を減らせば総額は下がる。ここは間違いありません。仮に坪単価が仮に60万円なら、2坪縮めれば計算上は120万円前後の圧縮。数字のインパクトは大きく、見積もり調整で真っ先に候補に挙がるのも自然です。実は、面積を落とすと本体だけでなく屋根・基礎・外壁といった付随部分も一緒に小さくなるため、削減効果は坪単価の額面以上に感じられることもあります。

でも「全体を一律に小さく」は後悔のもと

よくあるのが、各部屋を少しずつ狭めて帳尻を合わせるやり方です。ケースによりますが、これが一番危ない。リビングが少し狭い、寝室も少し狭い、廊下も少し狭い——一つひとつは小さな我慢でも、家中に薄く広がると「なんとなく窮屈」という後悔になります。狭さは合計面積ではなく、家族が長く過ごす場所の余裕で決まる。削るなら「薄く全体」ではなく「使っていない場所を厚く」が鉄則です。

目安になる公的な広さの水準

判断の物差しとして、国土交通省の住生活基本計画が面積水準を示しています。豊かな住生活の前提とされる「誘導居住面積水準(戸建て等の一般型)」は4人世帯でおよそ125㎡(約38坪)、健康で文化的な暮らしに必要とされる「最低居住面積水準」は同じ4人世帯でおよそ50㎡(約15坪)です。つまり快適さの目安と最低ラインには倍以上の幅がある。この幅の中で、自分たちがどこを大事にするかを決めればいい。数字はあくまで全国の目安で、地域や暮らし方で変わります。

削ってよい部分・削ると後悔する部分の見分け方

使われない廊下は「動線」で減らせる

最初に見直したいのが廊下です。廊下は通過するだけの空間で、長ければその分だけ床面積を消費します。実は間取りの組み方次第で、この通過専用の面積はかなり圧縮できます。部屋を廊下でつなぐのではなく、リビングを介して各室に入る「リビングイン」の発想にすると、廊下そのものが減る。1坪は約3.3㎡=畳2枚分。廊下を数㎡減らせるだけで、その面積をリビングや収納に回せます。動線を描き直すのは、狭さを感じさせずに坪数を落とす王道です。

役割が重複する部屋は「兼用」で1つにできる

次に、機能が重なる部屋を疑います。使う頻度の低い和室と客間、独立した書斎と寝室の一角——別々に構えると、それぞれに面積が要ります。ケースによりますが、来客が年に数回なら客間は不要で、リビング続きの一角や小上がりで代替できることも多い。「一室一機能」を「一室二機能」に切り替えると、部屋数を保ったまま面積は減ります。ただし在宅ワークのように毎日使う部屋の兼用は逆にストレスになりがち。頻度で線を引くのがコツです。

家具で代替できる収納から見直す

造り付けの収納は便利ですが、面積を固定してしまいます。よくあるのが、念のためと大きなウォークインを設けたものの半分が空いているケース。実は、置き家具のチェストやハンガーラックで足りる収納まで造作にすると、その分だけ床が要ります。まず手持ちの衣類や物の量を測り、家具の実寸(幅・奥行)で必要量を出す。造作は「動かせないから効くもの」に絞り、残りは家具で受ける。この切り分けで、収納の坪数はぐっと現実的になります。

吹抜け・ホールは費用対効果で見極める

開放感の象徴である吹抜けや広いホールも、判断の対象です。吹抜けは床面積には計上されない一方、上下の空間を使うため冷暖房の効率や建築費に影響します。広い玄関ホールも、通過中心なら優先度は下がる。もちろん開放感は暮らしの満足に直結するので、一律に否定はしません。譲れないなら残し、「なんとなく広く」なら見直す。感覚ではなく、得られる満足と費用を天秤にかけて決めることが大切です。

実際にどう判断した?──2つの検討ケース

ケース1:全体を薄く削ろうとしていたご夫婦

岐阜市の賃貸に住む30代の共働きご夫婦。予算超過を指摘され、当初は全部屋を少しずつ縮める案で進みかけていました。最初は半信半疑だったそうですが、家族の動きを紙に描くと、二階の廊下をほとんど「通過」にしか使っていないと気づいた。そこで間取りを組み替えて廊下を圧縮し、その分リビングは削らずに済んだ。「小さくするより、いらない通り道を消すほうが効くんですね」——腑に落ちた表情が印象的でした。

ケース2:大きな収納にこだわっていたご夫婦

別のご夫婦は、広いウォークインクローゼットを希望していました。ただ総額が合わない。悩んだ末、いま持っている衣類を実際に測ってみたところ、想定の半分ほどの容量で足りると判明。造作は最小限にして残りは市販のチェストで受ける形に切り替えたら、収納の面積が抑えられ、その分を子ども部屋に回せました。劇的な変化ではありませんが、「不安で大きくしていただけだった」と気づけたのが転機でした。

よくある質問

Q1. 坪数を減らすと総額はどのくらい下がりますか?

A1. 建物価格はおおむね坪単価×坪数で動くため、確実に下がります。坪単価が目安として60万円なら2坪で約120万円。ただし削る場所によって暮らしやすさへの影響は大きく変わります。

Q2. 狭くして後悔しないか不安です。どこから削ればいいですか?

A2. まず使われない廊下、役割が重複する部屋、家具で代替できる収納の順で検討を。家族が長くいるリビングや寝室を薄く削るより、通過や余りの空間を減らすほうが後悔しにくいです。

Q3. 4人家族なら何坪あれば安心ですか?

A3. 国土交通省の目安では、快適とされる水準が約38坪、最低水準が約15坪と幅があります。この間で優先順位を決める形が現実的。数字は全国の目安で、暮らし方により変わります。

Q4. 廊下を減らすと暮らしにくくなりませんか?

A4. リビングを介して各室へ入る動線にすれば、通過専用の廊下を減らしても不便になりにくいです。むしろ家族が顔を合わせやすくなる利点も。間取り全体で動線を描き直すのがコツです。

Q5. 部屋数は減らしたくないのですが、面積だけ落とせますか?

A5. 可能です。使用頻度の低い部屋を兼用にすると、部屋数を保ちつつ面積を圧縮できます。ただし毎日使う部屋の兼用はストレスになりがち。頻度で線を引いて判断してください。

Q6. 収納は多いほど安心では?

A6. ケースによりますが、造作収納は面積を固定します。手持ちの量を測り、家具で足りる分は市販品で受けると床を節約できます。造作は「動かせないから効く場所」に絞るのが賢い使い方です。

Q7. 吹抜けはやめたほうが予算に優しいですか?

A7. 一概には言えません。吹抜けは床面積外ですが、建築費や冷暖房効率に影響します。開放感の満足度と費用を天秤にかけ、譲れなければ残す、なんとなくなら見直す、で判断しましょう。

Q8. 面積の削りどころは自分たちだけで決められますか?

A8. 家族の行動と家具の実寸を書き出せば、かなり見えてきます。そのうえで間取りに落とす段階は専門家と一緒が安心。土地・建物をまとめて相談できる相手だと、成立するか早く確認できます。

まとめ

坪数を減らすときに大切なのは、全体を一律に小さくしないことです。狭さは合計面積ではなく、家族が長く過ごす場所の余裕で決まります。だからこそ、使われない廊下・役割が重複する部屋・家具で代替できる収納から先に見直す。国土交通省の面積水準は快適の目安と最低ラインに倍以上の幅があり、その中でどこを大事にするかは家庭ごとに違います。まずは家族の一日の動きと、いま使っている家具の寸法を書き出してみてください。必要な面積が具体的に見えたら、それを持って土地と建物をまとめて相談できる相手に、わが家の予算で成立するかを一度確かめてみましょう。狭さを感じない予算内の新築は、そこから形になります。

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