Columnコラム

2026-06-06

住宅ローン 借り換えはお得?判断基準と注意点を解説

借り換えで得をする3つの条件と失敗しないためのポイント

【この記事のポイント】

住宅ローンの借り換えは、うまく活用すれば数百万円の節約になる可能性がある一方、条件を満たさないと諸費用倒れで損をしてしまうこともあります。金利差だけを見て判断するのは危険で、ローン残高や残期間、諸費用、団信の再審査など、総合的なチェックが欠かせません。

この記事では、借り換えで得をする3つの条件、メリット・デメリット、最適なタイミング、失敗しないためのポイントまで、判断に必要な情報を詳しく解説します。

今日のおさらい:要点3つ

  • 借り換えの効果が出るのは「金利差1%以上」「残高1,000万円以上」「返済期間10年以上」の3条件
  • 諸費用は30万円〜100万円かかるため、シミュレーションで利息削減額が諸費用を超えるか確認必須
  • 団信の再審査があり、健康状態悪化や転職直後は審査に通らない可能性が高い

この記事の結論

住宅ローン借り換えで損しないための判断基準:

金利差が1%以上あり、ローン残高1,000万円以上・返済期間10年以上残っている場合は借り換え効果が期待できます。諸費用(事務手数料・保証料・登記費用など)を含めて試算し、総返済額が確実に減ることを確認しましょう。団信の再審査が必須なため、健康状態が良好で転職前のタイミングが最適です。固定金利期間終了時や金利上昇局面は借り換えの好機ですが、変動金利への切り替えは慎重に判断する必要があります。

住宅ローン借り換えの基本的な仕組み

借り換えとは何か

住宅ローンの借り換えとは、現在借りている住宅ローンを別の金融機関(または同じ金融機関の別商品)に切り替えることです。借り換え先の金融機関から新たに融資を受け、その資金で現在のローンを一括返済します。

金利が低いローンに切り替えることで、毎月の返済額や総返済額を減らせる可能性があります。また、変動金利から固定金利へ切り替えて金利上昇リスクに備えるという使い方もあります。

正直なところ、「借り換えれば必ず得をする」と思い込んでいる人が多いのですが、それは大きな誤解です。

借り換えにかかる諸費用

借り換えには新規借入時とほぼ同じ諸費用がかかります。主な費用は以下の通りです。

借り換え先の金融機関に支払う費用として、印紙税(Web契約なら不要、1,000万円超5,000万円以下なら2万円)、事務手数料(定額型3万3,000円〜5万5,000円程度、定率型は借入金額×2.2%程度)、保証料(金融機関による、ネット銀行は0円が多い)、抵当権設定費用(登録免許税は借入金額×0.4%、司法書士報酬は6万円〜8万円程度)があります。

借り換え前の金融機関に支払う費用として、全額繰上返済手数料(5,500円〜3万3,000円程度)、保証会社事務手数料(1万1,000円〜5万5,000円程度)、抵当権抹消費用(登録免許税は不動産1件につき1,000円、司法書士報酬は2万円程度)があります。

例えば2,000万円の借り換えでは、ネット銀行で約61万円、都市銀行で約61万4,400円の諸費用がかかる試算もあります。3,000万円の借り換えでは、事務手数料(定率型2.2%)だけで66万円、抵当権設定費用が約20万円になります。

「金利が0.5%低い!」と喜んでいたのに、諸費用を計算したら全然得じゃなかった…というのは本当によくある話です。

借り換えの手続きの流れ

借り換えには約1〜2ヶ月の期間がかかります。まず、複数の金融機関で金利や条件を比較し、シミュレーションで効果を確認します。次に、借り換え先の金融機関に事前審査を申し込みます。

事前審査通過後、正式な本審査を申し込み、必要書類(源泉徴収票、物件関連書類、現在のローン残高証明書など)を提出します。本審査に通過したら、現在のローン先に全額繰上返済の申し出を行い、借り換え先と金銭消費貸借契約を締結します。

融資実行日に、借り換え先から融資が実行され、その資金で既存ローンを一括返済します。同時に、抵当権の抹消と新規設定の登記手続きを行います。

借り換えで得をする3つの条件

金利差が1%以上ある

借り換え前後の金利差が1%以上あることが、借り換え効果を得られる一般的な目安です。金利差が大きいほど、利息削減効果が高くなります。

ただし、これはあくまで目安であり、金利差が1%未満でも諸費用次第では効果が出る場合もあります。逆に、金利差が1%以上あっても、残高や残期間が少ないと費用倒れになることもあります。

実は、「金利差1%」という目安が一人歩きして、0.8%差だと「借り換えしても意味ない」と諦めてしまう人がいますが、必ずシミュレーションで確認すべきです。

住宅ローン残高が1,000万円以上ある

借入残高が多ければ多いほど、金利差の影響を大きく受けます。一般的には、残高が1,000万円以上ある場合が借り換えを検討する目安とされています。

残高が少ないと、金利が下がっても利息削減額が小さく、諸費用を回収できません。例えば、残高500万円・残期間5年・金利差0.3%では、削減額は約5〜8万円にしかならず、諸費用30万円〜100万円を考えると完全に損です。

一方、残高3,000万円・残期間25年・金利差0.5%なら、約180〜220万円の削減効果があります。

返済期間が10年以上残っている

残りの返済期間が長ければ長いほど、利息削減効果が大きくなります。一般的には、残期間10年以上が借り換えのメリットが出る目安です。

タイミングが遅くなると借入額は少なく、残存期間も短くなり、メリットが小さくなってしまいます。返済開始から10年以上経過している場合でも、残期間が10年以上あれば検討する価値があります。

よくあるのが、「もう10年も返済しているから、今さら借り換えしても遅い」と思い込んでしまうパターン。でも、残期間次第では十分に効果が出ます。

住宅ローン借り換えのメリット

総返済額を削減できる

金利が下がれば、利息負担が減り総返済額を削減できます。例えば、残高2,500万円・残期間15年・金利3%から1%に借り換えすると、約350万円もの差が出ます。

残高2,000万円・残期間20年・金利差0.3%でも、約80〜100万円の削減効果があります。諸費用を差し引いても、数十万円から数百万円の節約になる可能性があります。

月々の返済額を減らせる

金利が下がれば、月々の返済額も減少します。家計の負担が軽くなり、教育費や老後資金など他の用途に資金を回せるようになります。

返済額が減ることで、家計に余裕が生まれ、生活の質が向上します。ボーナス返済の負担も軽減できるため、ボーナスが減額されるリスクにも備えられます。

「月々3万円浮いた」という安心感は確かにあります。

団信の保障内容を見直せる

借り換えにより、団体信用生命保険の保障内容を見直す機会になります。最近の団信には、がん保障、3大疾病保障、8大疾病保障など、充実した特約が用意されています。

現在のローンにはない保障を付けることで、万が一の際の安心感が高まります。ただし、特約を付けると金利が上乗せされる(0.1〜0.3%程度)ため、家計への影響も考慮が必要です。

金利タイプを変更できる

変動金利から固定金利へ、または固定金利から変動金利へ切り替えることで、金利上昇リスクや返済額変動リスクに対応できます。

将来的に金利上昇が予想される場合は、変動金利から固定金利へ切り替えることで、返済額を確定できます。逆に、金利が安定している時期は、変動金利に切り替えて低金利のメリットを享受する選択肢もあります。

ケースによりますが、金利タイプの変更は諸刃の剣。慎重な判断が求められます。

住宅ローン借り換えのデメリットと注意点

諸費用がかかる

借り換えには30万円〜100万円程度の諸費用がかかります。利息削減額が諸費用を上回らなければ、借り換えする意味がありません。

事務手数料が定率型(借入金額×2.2%)の場合、借入額が大きいほど手数料も高額になります。3,000万円なら66万円、2,000万円なら43万2,000円です。

諸費用を自己資金で用意できない場合、借り換え額に上乗せして借りることも可能ですが、その分借入額が増えるため注意が必要です。

最初は半信半疑だったんですが、実際に「諸費用を計算したら借り換えメリットがほぼゼロだった」というケースを何度も見ました。

団信の再審査が必須

借り換えは新規借入と同じ扱いになるため、団信の再審査が必須です。健康状態が悪化していると、団信に加入できず借り換え自体ができなくなります。

団信の告知書には、過去3年以内の病歴や治療歴を記載する必要があります。持病がある場合や、直前に入院歴がある場合は、団信への加入ができず住宅ローンの審査に通らない恐れがあります。

借入金額が5,000万円を超える場合や、がん特約・3大疾病特約などを付ける場合は、健康診断書の提出を求められることもあります。

手続きに時間と労力がかかる

借り換えには、書類の準備、審査、契約、登記手続きなど、多くの手間がかかります。会社員でも、平日に休みを取って手続きに行く必要がある場合もあります。

必要書類は、源泉徴収票、確定申告書、物件関連書類、現在のローン残高証明書、住民票、印鑑証明書など多岐にわたります。書類不備があると審査が遅れたり、再提出が必要になったりします。

必要書類の多さに不安になる気持ちはよくわかります。

固定期間終了後に金利が上がるリスク

当初固定金利期間選択型(3年固定、5年固定、10年固定など)で借り換えた場合、固定期間終了後に金利が上昇するリスクがあります。

固定期間中は低金利のメリットを享受できますが、期間終了後は変動金利に移行し、その時の市場金利によっては大幅に金利が上がる可能性があります。結果的に、当初の試算よりも総返済額が増えてしまうケースもあります。

また、金利は申込時や契約時ではなく「融資実行時の金利」で決まります。契約から実行までに月をまたぐと、金利改定により想定より高くなることがあります。

借り換えに適したタイミング

固定金利期間が終了するとき

当初固定金利期間選択型で借りている場合、固定期間終了時は借り換えの好機です。固定期間終了後は金利が上昇することが多いため、その前に他の金融機関の低金利商品に切り替えることで、返済負担を抑えられます。

例えば、10年固定で借りて9年目を迎えたタイミングで、より低金利の10年固定や全期間固定に借り換えれば、金利上昇を回避できます。

金利が下がったとき

市場金利が下がり、現在借りているローンとの金利差が1%以上になったときは、借り換えを検討すべきタイミングです。

日銀の金融政策や市場金利の動向をチェックし、金利が下がったタイミングで行動することが重要です。ただし、金利は常に変動するため、「もっと下がるかも」と待ちすぎると機を逸します。

転職前・健康なうち

団信の再審査があるため、転職前で勤続年数が長く、健康状態が良好なうちに借り換えを実施すべきです。転職直後は勤続年数がリセットされ、審査に通りにくくなります。

また、年齢が上がると健康リスクも高まり、団信の審査が厳しくなります。病気が治ってから3年以上経過すれば告知不要になるため、健康を回復させてから申し込む方法もあります。

借り換えで失敗しないためのポイント

必ずシミュレーションする

借り換え前に、必ず複数の金融機関でシミュレーションを行いましょう。利息削減額だけでなく、諸費用を含めた総返済額を比較することが重要です。

金融機関の公式サイトには、借り換えシミュレーションツールが用意されています。現在のローン残高、残期間、金利を入力すれば、借り換え後の総返済額や削減額を試算できます。

十分にシミュレーションせずに借り換え先を決めてしまい、後悔している人は本当に多いです。

複数の金融機関を比較する

1つの金融機関だけでなく、複数の金融機関を比較しましょう。金利だけでなく、事務手数料、保証料、団信の保障内容、繰上返済手数料なども比較ポイントです。

メガバンク、地方銀行、ネット銀行それぞれに特徴があります。ネット銀行は金利が低い傾向がありますが、対面相談ができないデメリットもあります。

担当者によって回答が異なったり、状況を伝えただけで門前払いされたりするケースもあるため、複数の選択肢を持っておくことが重要です。

変動金利への切り替えは慎重に

固定金利から変動金利に借り換える場合は、金利上昇リスクを十分に理解しておく必要があります。変動金利は当初の金利が低い分、将来金利が上昇すると返済額が大幅に増える可能性があります。

借り換え後に思っていた以上に金利が上昇し、支払総額が大きくなってしまったというケースもあります。金利上昇に耐えられる家計状況かどうかを見極めることが重要です。

団信の保障内容を確認する

借り換えにより、現在の団信の保障が終了し、新しい団信に加入することになります。保障内容が手薄にならないよう、慎重に確認しましょう。

現在の団信に特約が付いている場合、借り換え先でも同等の保障を付けられるか確認が必要です。特約を付けると金利が上乗せされるため、保障と金利のバランスを考慮しましょう。

よくある質問

Q1. 借り換えでどれくらい得になりますか?

A1. 条件によって大きく異なります。残高3,000万円・残期間25年・金利差0.5%なら約180〜220万円の削減効果がありますが、残高500万円・残期間5年・金利差0.3%では約5〜8万円の削減にしかならず費用倒れです。必ずシミュレーションで確認しましょう。

Q2. 借り換えの諸費用はいくらかかりますか?

A2. 一般的に30万円〜100万円程度です。2,000万円の借り換えで約61万円、3,000万円で約86万円が目安です。事務手数料が定率型(2.2%)か定額型(3〜5万円)かで大きく変わります。

Q3. 諸費用を自己資金で用意できない場合はどうすればいいですか?

A3. 借り換え額に諸費用を上乗せして借りることができます。ただし、その分借入額が増えるため、月々の返済額や総返済額への影響を確認しましょう。諸費用込みでシミュレーションして、それでもメリットがあるか判断することが重要です。

Q4. 借り換えの手続きにどれくらい期間がかかりますか?

A4. 通常1〜2ヶ月程度です。事前審査に1週間程度、本審査に2〜3週間程度、契約から融資実行まで1〜2週間程度かかります。書類不備があるとさらに時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。

Q5. 転職直後でも借り換えできますか?

A5. 難しいです。勤続年数が短いと審査に通りにくくなります。一般的には勤続1年以上、できれば3年以上が望ましいとされています。転職を予定している場合は、転職前に借り換えを完了させることをおすすめします。

Q6. 持病があると借り換えできませんか?

A6. 団信に加入できない場合は、ほとんどの金融機関で借り換えできません。ただし、ワイド団信(加入基準を緩和したタイプ)を利用できる場合もあります。また、フラット35など団信加入が任意のローンもあります。病気が治ってから3年経過すれば告知不要です。

Q7. 借り換え後に金利が下がったらどうすればいいですか?

A7. 再度借り換えを検討することもできます。ただし、また諸費用がかかるため、削減効果が費用を上回るか慎重に判断しましょう。短期間で何度も借り換えすると、諸費用の負担が大きくなります。

Q8. 変動金利と固定金利、どちらに借り換えるべきですか?

A8. 将来の金利上昇が不安なら固定金利、低金利のメリットを享受したいなら変動金利です。変動金利は当初金利が低い分、金利上昇リスクがあります。家計に余裕がある人は変動金利、返済額を確定したい人は固定金利が向いています。

Q9. 借り換え後も繰上返済はできますか?

A9. できます。ただし、金融機関によっては繰上返済手数料がかかる場合があります。借り換え先を選ぶ際は、繰上返済手数料の有無も確認ポイントです。ネット銀行は無料の場合が多いです。

Q10. 借り換えで住宅ローン控除はどうなりますか?

A10. 借り換え後も住宅ローン控除を継続できます。ただし、借り換え後のローン残高が、借り換え前のローン残高を超える場合は、超えた部分は控除対象外になります。また、返済期間が10年未満になると控除が受けられなくなるため注意が必要です。

まとめ

住宅ローンの借り換えは、条件次第で数十万円から数百万円の削減効果がありますが、必ずしも得とは限りません。借り換え効果が出るのは「金利差1%以上」「残高1,000万円以上」「返済期間10年以上」の3条件を満たす場合です。諸費用は30万円〜100万円かかるため、シミュレーションで利息削減額が諸費用を上回ることを確認しましょう。

関連記事

住宅ローンを見直す際には、「現在の金利との差」「残りの返済期間」「借入残高」などを総合的に確認する必要があります。特に、変動金利と固定金利の違いや、借り換えに伴う諸費用を理解しておかないと、思ったほどメリットが出ないケースもあります。

「住宅ローンの借り換えは本当に得?」「どんな人が借り換えに向いている?」「注意点はある?」という方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

▶︎ 住宅ローン 借り換えはお得?判断基準と注意点を解説
https://ietochi-gifu.com/contents/?column=post-3527

住宅ローン借り換えのメリット・デメリットや、損をしないために確認したいポイントを初心者向けにわかりやすく解説しています。

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